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窓について

窓について考えてみましょう。
皆さんは、大きな窓の部屋と小さな窓の部屋ではどちらが好きですか?
たぶん、多くの皆さんが、大きな窓の部屋が好きと答えることと思います。私も大きな窓の部屋が好きです。

窓は住む人に心理的影響を与えます。つまり、住み心地の問題です。

しかし、ただ大きければいいと言う単純な問題でもありません。採光や風通し、断熱遮熱、内外からの視線、また音まで、を考慮しながら、適切な配置をすることが大切です。

その中で、断熱性に焦点を絞って考えてみましょう。

大きな窓への憧れ

日本の住まいは、柱と柱の間を、建具で塞いだ大きな開口部を、夏は開け放ち、冬は閉じて、暮らして来ました。

その文化が、DNAの中に刻まれているとも思えませんが、なぜか大きな窓に憧れや親しみを覚えるのは、私だけでは無いと思います。

しかし、最近の住宅の多くは窓が小さくなる傾向が有ります。

その理由として、考えられるのが、以下の二つです。

  • コストを抑えるため

窓の断熱性について

断熱性能に付いては、熱損失係数(以下Q値)についての項目で説明しましたが、もう一度おさらいしておきます。

室内外の温度差1℃の時、建物から逃げ出す熱量(Wt)を建物床面積(A)で割った値がQ値です。

そこで、建物から逃げ出す熱量(Wt)の内訳を我が社の設計物件を例に分析してみましょう。この住宅は比較的窓が多い方です。

各部仕様は、窓は断熱アルミペアガラス、屋根はグラスウール24k相当品200㎜、壁はグラスウール24k相当品100㎜、基礎断熱はスタイロフォームAT50㎜と成っています。

部位熱損失(W/K)比率(%)
170.6751.1
屋根14.894.4
49.3014.7
基礎27.948.4
換気71.3721.4
トータル334.17100

実質床面積 132.41
熱損失係数(Q値)2.52

この住宅はⅣ地域内ですので、次世代省エネルギー基準をクリアしています。

注目して欲しいのは、窓からの熱損失です。なんと熱損失の半分以上が窓です。
ここで、仮に窓面積を1/2にして見ましょう。

部位熱損失(W/K)比率(%)
85.3433.1
屋根14.895.8
58.2822.6
基礎27.9410.8
換気71.3727.7
トータル257.78100

実質床面積 132.41
熱損失係数(Q値)1.95

すると、Q値は1.95となり、青森、岩手などのⅡ地域に建築出来る位のレベルにまで、向上します。

この結果から、Q値を小さくする(省エネルギー)ために、窓を小さくすることが、如何に有効かお解かりいただけると思います。

そこで、窓を小さくしましょう。と言う安易な考えで、出来てしまうのが最近見かける小さな窓の住宅ではないでしょうか。

確かに、窓を小さくするすることによって、断熱性能は向上し、コストも抑制できることは事実です。それでは、大きな窓が欲しい人の問題は解決しません。

窓の断熱性能

窓に使うサッシは、枠の材質とガラスの種類により、断熱性能が大きく異なります。

サッシの種類と熱貫流率(K値、SI単位系になってU値とも呼ばれるようです)

サッシ種類サッシK値(W/㎡K)
木製サッシ トリプルArLowE1.30
木製サッシ トリプル1.86
PVCサッシ ArLowE2.00
PVCサッシLowE 断熱アルミArLowE2.33
PVCペア 断熱アルミLowE2.91
断熱アルミペア3.49
アルミペア4.65
アルミシングル6.51

※Arアルゴンガス入りを示す
※PVCとはポリ塩化ビニルを使用した樹脂サッシ
※断熱アルミと枠や障子に使用されるアルミの型材の室内側と室外側が樹脂で分かれていて熱が伝わり難くなっているサッシ

上記の表を見ていただくと、一般的に使われている断熱アルミペアと木製サッシ トリプルではK値で2倍近くも開きが有る事が判ります。

これは、同等のQ値性能で単純に窓面積が2倍位に出来ることを示します。

しかし、木製サッシトリプルガラスのコストは断熱アルミペアの2倍位に成ります。

また、断熱アルミペアとアルミペアのK値の差1.61に対し、断熱アルミLowEと断熱アルミペアのK値の差0.58はディテールの違いによる断熱性能の向上の可能性を示していると思います。

以上のような事を、踏まえて計画することにより、出来上がる住宅はだいぶ変わってきます。

窓をどうする?

まず、必要なことは、方針を立てる事です。大きな窓が欲しいのか、小さくても高価な木製トリプルガラスサッシが欲しいのか。と言うようなことでいいと思います。

そうするこで、断熱オンリーの住宅ではない個性的な断熱住宅が、出来ると思います。


  1. 大きな窓を設置する場所を限定する。
    大きな窓は、どの部屋にも必要なわけではないと思いましので、設置場所を限定し、可動にしない。

  2. 窓の断熱を補強する。
    手軽に大きな窓を採用するために、都合の良い製品が存在します。ハニカムサーモスクリーンと言う断熱ブラインドで、窓の断熱性を2ランク位向上出来ます。例えば断熱アルミペアサッシと同製品を組み合わせて使うことで、断熱アルミArLowEサッシを使った位の断熱性能になります。

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